くりの木デンタルクリニック

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2025.09.18歯を残すことは大事ですか?

歯を抜かないことは健康のためにとても大事だと言われています。私も診療では抜かないように尽力してきました。ただ、最近の勉強でそれが本当に一番大事なのか、考えてしまうことが増えてきました。その中のひとつが骨粗鬆症治療薬です。
骨粗鬆症治療薬の種類によっては、骨が腐ってしまうかもしれないものがあります。
以前は、抜くと骨が腐るというイメージで伝わっていたかもしれませんが
今は炎症がある部位の骨が腐る、と変わってきています。

日本骨粗鬆症学会の雑誌で、松本歯科大学の田口先生が載せていたのですが、日本は発症率がすごく高いそうです。

10年くらい前は、欧米では0.1%と聞いたのですが、数年後には日本1.0%になったのを記憶していました。

今回の論文で田口先生は1年間で10万人当たり約130人前後に発症する(計算的には1.3%ですね)と記述があり、この発症率は台湾の250人に次いで世界第2位の発症率だそうです。

これは、欧米に比べて歯を残そうと努力した結果、残った歯の根っこに炎症のある根尖性歯周炎や歯周病である辺縁性歯周炎という、骨の炎症がほかの国よりも多いという原因が、発症率に影響を与えているのでは、ないか

というお話をされていました。

今までの歯科医師人生、なるべく歯を残すことが正解だと思って治療させてもらってきましたが、歯を残すことが正解ではないという現実がありました。

その歯がどのような状態なのか、患者さん一人一人のライフスタイルも含め、

どのように残すか

 

ひとりの人間の身体のために何が良いのか
を考えていかなければならない時代なんだと思います。