くりの木デンタルクリニック

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カテゴリー:院長ブログ

2025.10.03頭痛には湿布もありでした。

日本口腔顔面痛学会の 
歯科に来院する未治療片頭痛患者に対する頭痛専門医紹介システムの構築(片頭痛プロジェクト)』に参加しています。


頭痛ー頭が痛い。といっても、原因は様々です。


よく聞く片頭痛は頭痛の中の一つですが、ほかに緊張型頭痛というものもあります。
あとは本当に怖い腫瘍などもありますが。


緊張型頭痛は頭痛のみの症状で
片頭痛は吐き気や光、音、においに過敏になるなどの症状も一緒に現れるのが違いのようで、
出される薬にも違いがあるそうです
原因は結局は日々の生活からくるストレスらしいですが、緊張型頭痛のほうが運動療法やマッサージが効果があることから、体のコリからくる血行不良であれば緊張型頭痛が起きるというのが違いかもしれません。

私も、時々、痛み止めを飲んでも治らない頭痛が3日くらい続くことがあります。
先日、肩のコリが気になったので、試しに肩に湿布を貼ったら早めに治ったことがあり、今回も試しに貼りましたが少し和らぐ程度でした。そこで、肩甲骨の間(肩ではなく背中)に貼ったら痛み止めがいらない程度になり、2日目にはほぼ治りました。
今回は背中のコリだったようです。

あと、その勉強会で話していた内容に
市販の頭痛薬を飲みすぎて、逆に頭痛になってしまう

という患者さんもいるそうです。
また、予防薬というものも今はでてきているそうなので、あまりにも頭痛がひどい人や、毎日のように市販薬を飲んでいる人は、一度、頭痛専門外来という科を受診してみるのもよいのではとのお話でした。

2025.09.24フッ素は塗りますか?

県歯科医師会のフッ化物洗口研修会に出席しました。

今までフッ素は歯面をきれいにしてから(プラークを取り除いた歯面に)塗布しないと効果がないと思っていました。
ところが 講演してくださった 東京科学大学大学院医歯学総合研究所歯科公衆衛生学分野 教授 相田潤先生がおっしゃるには


フッ化物は歯垢(プラーク)に取り込まれ、甘いものを食べた際に細菌が酸を産生し脱灰が起こっても、プラーク中のフッ化物が取り込まれてフッ化カルシウムやフルオロアパタイトを形成し、歯を保護する。これにより、磨き残した部分でも酸による脱灰を防ぎ、再石灰化を促進するため、高い虫歯予防効果を発揮する。歯垢の内部がフッ化物で過飽和状態になることが、磨けないところでも効果がある理由である。

とのことでした。  
つまり、歯磨きでは取り切れないプラークに フッ素は入ることができる。
そして、プラークの中に多くのフッ素を取り込むことで、歯が虫歯になることを防ぐことができる。

とおっしゃってます。

聞いて 目から鱗 でした 今まで、きれいな歯面を出さないとフッ素は効果がないと思っていたんです。 雪のように積もっているプラークがあっても、効果があるなんて。
また、フッ素は毒であるというおっしゃる方がいますが、
F(フッ素)に何が結合するかで毒かどうかは違う、
フッ素塗布のフッ素=フッ化ナトリウム(NaF)は毒性のあるフッ化水素(FH)とは違う、とはおっしゃっていました。

でも
NaF自体も薬なので、毒性がゼロとは言えないと思います。
薬に安全と言い切れるものはないのと同じように。

本医院でもフッ素塗布後に吐き気を訴えた患者様も数名過去にいらっしゃいました。

食物アレルギーだって同じです。
なんでも完全に安全というものはないと思います。
その中で、自分の口腔内の状況から何を選択するか、ということになると思います。

さて、あなたはフッ素を塗りますか?

 

2025.09.18歯を残すことは大事ですか?

歯を抜かないことは健康のためにとても大事だと言われています。私も診療では抜かないように尽力してきました。ただ、最近の勉強でそれが本当に一番大事なのか、考えてしまうことが増えてきました。その中のひとつが骨粗鬆症治療薬です。
骨粗鬆症治療薬の種類によっては、骨が腐ってしまうかもしれないものがあります。
以前は、抜くと骨が腐るというイメージで伝わっていたかもしれませんが
今は炎症がある部位の骨が腐る、と変わってきています。

日本骨粗鬆症学会の雑誌で、松本歯科大学の田口先生が載せていたのですが、日本は発症率がすごく高いそうです。

10年くらい前は、欧米では0.1%と聞いたのですが、数年後には日本1.0%になったのを記憶していました。

今回の論文で田口先生は1年間で10万人当たり約130人前後に発症する(計算的には1.3%ですね)と記述があり、この発症率は台湾の250人に次いで世界第2位の発症率だそうです。

これは、欧米に比べて歯を残そうと努力した結果、残った歯の根っこに炎症のある根尖性歯周炎や歯周病である辺縁性歯周炎という、骨の炎症がほかの国よりも多いという原因が、発症率に影響を与えているのでは、ないか

というお話をされていました。

今までの歯科医師人生、なるべく歯を残すことが正解だと思って治療させてもらってきましたが、歯を残すことが正解ではないという現実がありました。

その歯がどのような状態なのか、患者さん一人一人のライフスタイルも含め、

どのように残すか

 

ひとりの人間の身体のために何が良いのか
を考えていかなければならない時代なんだと思います。