2025.11.21ガンになったら歯を抜きましょう?
令和7年度三師会 総会の特別講演会に出席しました。講師は弘前大学大学院医学研究科 歯科口腔外科学講座 教授 小 林 恒 先生で
演題は 薬剤関連顎骨壊死の最新情報 でした。
薬剤関連顎骨壊死の主なものは骨粗しょう症治療薬による、顎骨壊死です。
骨粗しょう症治療薬ー飲んだり、注射したり、点滴することによって、骨がもろくなるのを防ぐ効果があるお薬です。
骨でも皮膚でも、身体の細胞は 古くなってくると古い細胞(骨)を食べる細胞が消してくれて、そこに新しい細胞(骨)ができます。
でも新しい骨が出来づらくなってるのに、どんどん古いからと骨が消えてくと、スカスカになってしまうので、古い骨があまり消されないように、溶けないようにするお薬です。
お口の中には様々な菌が存在していて、その菌は歯や骨を溶かします。
菌が溶かす、というよりは菌が炎症を起こさせ、その結果骨が溶けます。
炎症がある骨を身体がいらないものとして溶かし、排除するのです。
骨粗しょう症治療薬はその、身体が 病気になった(感染した)骨を排除する機能 まで止めてしまった結果、感染した骨がいつまでも残って、腐っていくのです。
骨粗しょう症治療薬であれば、別のお薬に変えたりすることで、影響を抑ええることができますが、骨にがんが転移してから使うお薬は、がんの進行を抑えたいのでやめるわけにはいきません。
骨が腐るのは骨に炎症があるから、ということは定説になってきていますが、どうしたら腐らないか、という答えはまだ明確に出ていません。
ただ、お顔の骨が溶けるのは、かなり辛いのではないかと想像に難くないことです。
海外に比べて10倍くらいは、発症率が高いのですが、日本ではなるべく歯を残そうという意識が高いからだと思います。
歯を残すことは良いことなのですが、中等度の歯周病や根っこに病巣がある場合、骨にからむお薬を始める前に、抜いてしまい、しかも、きちんと骨が治癒していることを確認する
ということが望ましいようです。
がんの種類によるのでしょうが、骨に転位する可能性が高いがん(乳がんは多いです)に罹患した場合は
今、痛くなく、まだ使えそうな歯でも抜くことを視野に治療したほうがよいのかもしれません。